リスクという言葉は日常生活で頻繁に利用します。リスクは日本語では
- 危険
- 予想通りにはいかない可能性
- 被害を被る可能性
という意味としてとらえられています。つまり、リスクとは将来発生するイベント(事象)に対して何等かのネガティブな事を想定しています。現時点で発生していませんので、この時点では何の被害も発生していませんが将来被害が発生する可能性がある場合は、それをリスクと呼びます。リスクの例として、例えばほうれん草を栽培している農家について考えていきましょう。夏にくる台風はほうれん草農家にとってリスクとなります。リスクですので、台風の被害に遭うかもしれませんし遭わないかもしれません。その不確定なリスクに対してほうれん草農家はどのようにすれば良いでしょうか?リスクへの対応方法は主に4通り存在します。
リスクの回避(avoidance)
リスクの回避とは、リスク自体を避けるための選択を行う事です。つまりほうれん草農家が台風のリスクを回避する場合は、ほうれん草の栽培自体(もしくは農業自体)を辞める、台風が絶対に来ない土地に移動する、などが考えられます。ただし、一般的にリスクを回避する事は事業自体を辞める事となり、良い選択とはなりません。
リスクの縮小(reduction)
リスクの縮小とは、リスクが発生した時にリスクによって被る影響・被害を小さくすることです。ほうれん草農家がリスクの縮小を行う例として、ほうれん草栽培の一部を植物工場内で栽培する事で台風の被害を小さくしたり、土壌を強化して台風に強い畑を作ったりすることが考えられます。
リスクの保有(retention)
リスクの保有とは、リスクに対する対策をせずに諦める事です。つまりリスクとして想定されている事が実際に発生した場合の影響・被害を受け入れる事です。もしほうれん草農家がとても金持ちだったり、収入に対するほうれん草の売り上げ割合が小さい場合は、台風によってほうれん草畑がダメになって被害を被ったとしても、諦める事ができます。
リスクの移転(transfer)
リスクの移転とは、リスクを第三者に移転する事です。つまりこれが保険です。リスクを移転した場合はリスクはほうれん草農家から保険会社に移転されます。ほうれん草農家が農業災害保険や収入保険に入っていたとします。もし台風などの災害で被害を被った場合は、保険によって農家の収入が補償されます。
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